文字サイズ

  • 標準

Language

フリーダイヤル0120-さんろくさん363-いちさんさん133

営業時間:午前9時~午後6時

介護のプロがお答え 介護のお悩み解決コラム

みなさまの介護に関するお悩みを介護のプロが解決します

認知症について考える

高齢社会の日本。65歳以上高齢者の10%が認知症と言われている現在。今後このパーセンテージはさらに大きくなると予測されます。身近な問題となっている認知症について少し考えてみたいと思います。

認知症について考える

認知症とは

年齢とともに誰にでも、人やものの名前がすぐに出てこなくなったり、もの覚えが悪くなったりします。 こうした脳の老化による「もの忘れ」とは違い認知症は、何かの病気によって脳の神経細胞が壊れるために起こる症状や状態をいいます。 認知症にはいくつか種類がありますが、一般的によく知られていて全体の約半分を占めているのがアルツハイマー型認知症です。 アルツハイマー型認知症は70歳を境に急激に増加すると言われています。 男女比を見てみると女性の方の有症率が高いというのが特徴です。 諸説あり理由ははっきりしていませんが、女性ホルモンの関係で女性の方が多いとも言われています。 高齢社会である日本では今後さらに深刻化すると予測され、2025年には約700万人(高齢者の約5人に1人)が認知症になると言われています。 出来る限り認知症の進行を遅らせ、自分らしく豊かに暮らせる環境づくりを国全体で取り組むことが急務の課題となっています。

認知症度チェック

自分でできる認知症のチェック一覧です。20点以上の場合は、何らかの支障が出ているかもしれません。 認知症は早期発見が大切です。 不安な点がある場合は、医療機関や相談窓口などに相談することをおすすめします。

①財布や鍵など、物を置いた場所がわからなくなることがありますか ・まったくない(1点)
・ときどきある(2点)
・頻繁にある(3点)
・いつもそうだ(4点)
②5分前に聞いた話を思い出せないことがありますか ・まったくない(1点)
・ときどきある(2点)
・頻繁にある(3点)
・いつもそうだ(4点)
③周りの人から「いつも同じ事を聞く」などのもの忘れがあると言われますか ・まったくない(1点)
・ときどきある(2点)
・頻繁にある(3点)
・いつもそうだ(4点)
④今日が何月何日かわからないときがありますか ・まったくない(1点)
・ときどきある(2点)
・頻繁にある(3点)
・いつもそうだ(4点)
⑤言おうとしている言葉が、すぐに出てこないことがありますか ・まったくない(1点)
・ときどきある(2点)
・頻繁にある(3点)
・いつもそうだ(4点)
⑥貯金の出し入れや、家賃や公共料金の支払いは一人でできますか ・問題なくできる(1点)
・だいたいできる(2点)
・あまりできない(3点)
・できない(4点)
⑦一人で買い物に行けますか ・問題なくできる(1点)
・だいたいできる(2点)
・あまりできない(3点)
・できない(4点)
⑧バスや電車、自家用車などを使って一人で外出できますか ・問題なくできる(1点)
・だいたいできる(2点)
・あまりできない(3点)
・できない(4点)
⑨自分で掃除機やほうきを使って掃除ができますか ・問題なくできる(1点)
・だいたいできる(2点)
・あまりできない(3点)
・できない(4点)
⑩電話番号を調べて、電話をかけることができますか ・問題なくできる(1点)
・だいたいできる(2点)
・あまりできない(3点)
・できない(4点)
※参照サイト: 自分でできる認知症の気づきチェックリスト

「加齢によるもの忘れ」と「認知症によるもの忘れ」の違い

もの忘れがひどいからと言って認知症であるとは判断できません。正常なもの忘れもあります。 例えば、加齢によるもの忘れ。違いの差が大きくあるとは限らないため、加齢によるものなのか、認知症の症状なのか、なかなか見分けることが難しいのが現状です。 下記のものが全てではありませんが、認知症に気づくサインとして参考にしてみてください。

体験したこと

加齢によるもの忘れ 一部を忘れる
【例】朝ごはんのメニュー
認知症によるもの忘れ すべてを忘れている
【例】朝ごはんを食べたこと自体

もの忘れの自覚

加齢によるもの忘れ ある
認知症によるもの忘れ なくなる

探し物に対して

加齢によるもの忘れ なんとか自力で見つけられる
認知症によるもの忘れ 誰かが盗ったなど他人のせいにすることがある

日常生活への支障

加齢によるもの忘れ ない
認知症によるもの忘れ ある

症状の進行

加齢によるもの忘れ 極めて徐々にしか進行しない
認知症によるもの忘れ 進行する

※参照サイト: 知っておきたい認知症の基本 | 暮らしに役立つ情報

認知症の治療について

アルツハイマー型認知症は、記憶力や判断力の低下により日常生活にさまざまな問題が起きてくる病気です。 アルツハイマー型認知症を元の状態に戻す治療法は現在ありません。 アルツハイマー型認知症の治療としてはご本人が快適に暮らせること、またご家族や介護者の負担が軽くなることが治療の目的となります。 治療としては、ご本人の感情や興味を刺激し心の安全をはかる『非薬物療法』と、アルツハイマー型認知症のお薬による『薬物療法』があります。

非薬物療法

ご本人が今出来ること、興味を持っていることを尊重しながら快適な環境づくりに心掛けます。 過去に慣れ親しんだ歌や玩具、道具などを利用し、人生を振り返ることでご本人の自己認識の回復をはかる『回想法』など、さまざまな療法があります。 ご家族や友人とのコミュニケーションやデイサービス、グループホームでのおしゃべり、ゲームなども指を動かし頭と心を活性化するための大切な刺激となります。

薬物療法

アルツハイマー型認知症により失われた記憶や機能を回復させ、病気を完全に治すお薬はまだありません。 出来る限り進行を遅らせ症状を緩和されるお薬で治療をしていきます。 代表的なもので「抗認知症薬」「抗精神病薬」「抗不安薬」「抗パーキンソン薬」などがあります。

認知症の人と接するときの心がまえ

まずは、認知症を理解することが大切です。ここでは、重要なポイントをまとめてみます。

「認知症の本人には自覚がない」は大きな間違い

実は、認知症の症状に初めに気づくのは本人です。 もの忘れが頻繁に起こり今まで出来ていたことが出来なくなるなど、自分自身でおかしいと気づき始めます。 「もしかしてこれは、認知症なのか」と思い不安になる気持ちは計り知れません。 認知症の人は何もわからないのではなく、誰よりも一番心配なのも、苦しいのも、悲しいのも本人です。

「私は忘れていない!」に隠された悲しみ

認知症は早期発見、治療が大切です。早期であれば、治る可能性もあります。 そのため、家族や周囲の人は「あれ?もしかして…」と思えば、すぐにでも病院で診てもらいたいと思うのが当然です。 ですが、本人からすれば、まだまだ十分な理解力や判断力を持っている部分がある場合、「私は認知症ではない」と思うし思いたいはずです。不安はあるものの認知症でないと信じたい、認知症だと認めたくないという思いでとても複雑な感情になっています。 言葉に隠された思いや心理を知り理解しようとすることは大切です。

こころのバリアフリーを

さまざまな施設でバリアフリー化となり、身体に障害のある方が行動しやすい環境の整備が進められています。 しかし、認知症の場合はこころです。周囲の理解やあたたかく見守るこころのバリアフリーが大切です。 そのような環境であれば、行動範囲が広がり自分でできることが増えるかもしれません。

かかわる人の心がまえ

誰もがなるかもしれない認知症。珍しい病気ではなく、一般的な病気として自然に接することが大切です。 例えば、家族や親しい友人が認知症になった場合、認知症の障害を少しサポートしながら、今までと何も変わることなく自然に接することが一番の治療法なのではないでしょうか。

※参照サイト: 認知症の人と接するときの心がまえ - 厚生労働省

施設を利用しながらお互い無理なく

認知症になった本人もその家族も、その人らしく無理なく良好な関係で過ごせるよう、施設を利用することは選択肢の一つとしておすすめです。 フロンティアの介護では、グループホームはもちろん有料老人ホームでも認知症の方を受け入れ可能な施設があります。 もちろん無料相談や施設見学も承っております。 本人が1人で抱え込んで悩んだり、家族だけで悩んだりすることなく、是非周囲に助けを求めましょう。 たくさんの助けの中で無理なくケアをしていくことが進行を緩和する一つの方法です。 フロンティアの介護にいつでもご相談ください。

■ご相談窓口
ご相談窓口フォーム
■若年性認知症について
若年性認知症の介護への取り組み
■フロンティアの介護の施設
施設を探す

※参照サイト:
認知症|こころの病気を知る|メンタルヘルス - 厚生労働省
政策レポート(認知症を理解する) - 厚生労働省

フロンティアの介護 ちょこっとコラム
ちょこっとコラム
フロンティアの介護

認知症に特化した老人ホームである「グループホーム」についてご紹介しています。 こちらのコラムもあわせてご覧ください。

グループホームとは?

フロンティアの介護 記事編集者
記事編集者
フロンティアの介護

フロンティアの介護に在籍する経験豊富な介護職員、施設管理者、ケアマネージャー、看護師、理学療法士、管理栄養士などさまざまなその道のスペシャリストから情報を収集し、介護に関する内容をコラムにして書いています。 今後さらに需要が高まる介護施設。介護を必要としている方のお手伝いができるよう、問題が解決できるよう、さまざまな角度から情報をお届けしたいと思います。私たち記事編集者が書くコラムがお悩み解決のヒントになれば幸いです。