住宅型有料老人ホームとは?その特徴を徹底解説!
公開日:2020年4月17日 / カテゴリ:お悩み解決コラム
目次
- 1. 住宅型有料老人ホームとは?
- -1-2.提供されるサービスについて
- -1-3.設備について
- 2.住宅型有料老人ホームの費用について
- -2-1.入居一時金
- -2-2.月額費用
- -2-3.介護保険を利用する際の自己負担額は?
- 3.住宅型有料老人ホームの入居基準とは?
- -3-1.住宅型有料老人ホームの入居難易度について
- 4.住宅型有料老人ホームのメリット・デメリットについて
- -4-1.メリットとは?
- -4-2.デメリットとは?
- 5.他のサービスとの違いは何?
- -5-1.サービス付き高齢者向け住宅との違い
- -5-2.介護付有料老人ホームとの違い
- 6. 住宅型有料老人ホームの選び方のポイントとは?
- 7.住宅型有料老人ホームに入居するまでの流れとは?
- 8.まとめ
多様化する老人ホーム、介護施設。サービスや特徴も施設によってさまざまです。 ここでは、気になる介護施設の中で「住宅型有料老人ホーム」を取り上げます。 「住宅型有料老人ホームってどんなサービスがあるの?」「費用は?」など…メリット、デメリットも含め、住宅型有料老人ホームの特徴についてご紹介します。
住宅型有料老人ホームとは?
住宅型有料老人ホームとは、主に民間企業が運営し、自立の方や比較的介護度が軽い方が多く入居しています。 施設によっては、介護度が重い方を積極的に受け入れている場合もあります。 生活援助や緊急時の対応、レクリエーションが受けられます。 また介護サービスを利用したい場合は、外部の訪問介護事業所や併設の介護事業所と契約をして介護サービスやデイサービスを受けることができます。
提供されるサービスについて
生活援助や緊急時の対応、レクリエーションなどのサービスが受けられます。 生活援助の内容としては、施設スタッフによる見守り・食事の提供・掃除・洗濯などがあります。 介護サービスについては、居宅介護支援事業所を通して受けることができます。 医療サービスの内容やリハビリテーションプログラムなどへの対応については、施設によって異なるため、確認することをおすすめします。
設備について
設備については、施設によってさまざまですが、基本的な設備である食堂や浴室、トイレ、居室などは、どの施設にもあると言っていいでしょう。 リハビリに力を入れている施設では、機能訓練室が充実していたり、高級を謳っている施設では、ホテルのようなラウンジがあったり、カラオケ・麻雀卓・図書室などの娯楽が充実している施設もあります。 いずれにしても、気になる施設があれば見学をすることをおすすめします。
住宅型有料老人ホームの費用について
費用についても施設によって価格差があります。 初期費用や家賃・食事代などの月額費用、また外部の介護サービスを受けていれば、その分の自己負担があります。 ホームページや取り寄せたパンフレットだけでは、わからない費用もあったりしますので、しっかり施設に確認する必要があります。
入居一時金
0~1億円を超える施設もありさまざまです。また入居金がない場合には、月額利用料が高めになる場合もあります。 加えて、保証金が必要になる施設もあります。
月額費用
15万円程度の施設から50万円を超える施設もあります。 月額費用は、提供されるサービスおよび入居金の状況によって大きく異なる場合が多いです。
介護保険を利用する際の自己負担額は?
介護度と地域によって1割負担で対応できる上限額が決まっています。 介護度が低い場合は、1割負担で対応できる範囲に抑えられ費用を安く済ませることができます。 一方、介護度が高いほど、介護サービスを利用する回数が多くなり、介護保険の支給上限額を超えやすくなります。 超えた分の費用は、すべてが自己負担となります。
■地域区分により異なりますが、介護サービス費1割自己負担の場合の例です。
要支援1 |
¥5,032 |
---|---|
要支援2 |
¥10,531 |
要介護1 |
¥16,765 |
要介護2 |
¥19,705 |
要介護3 |
¥27,705 |
要介護4 |
¥30,938 |
要介護5 |
¥36,217 |
■介護サービスの利用限度額は下記の通りです。
要支援1 |
¥50,030 |
---|---|
要支援2 |
¥104,730 |
要介護1 |
¥166,920 |
要介護2 |
¥196,160 |
要介護3 |
¥269,310 |
要介護4 |
¥308,060 |
要介護5 |
¥360,650 |
住宅型有料老人ホームの入居基準とは?
基本的に60歳以上、自立から比較的介護度が低い方を入居基準としている施設が多いです。 ただし、近年では介護付有料老人ホームとほぼ変わらない対応をする施設も多く、介護度の高い方、医療依存度の高い方でも受け入れ可能な施設も増えていますので、施設へ確認するといいでしょう。
住宅型有料老人ホームの入居難易度について
住宅型有料老人ホームの施設数は5,100。定員数は143,466千人となっています。 さらに新たな施設がつくられ、施設数は増加傾向にあります。 特別養護老人ホームなど待機者がいる施設と比べ比較的入居しやすいと言えます。 ただし、サービスが多様化している住宅型有料老人ホームは入居率も高いため、早めに確認しおさえることがポイントです。
住宅型有料老人ホームのメリット・デメリットについて
どの施設にも言えますが、それぞれ特徴があるためメリットだけでなくデメリットも避けられません。 どちらも確認したうえで、自分が求める施設を選ぶ必要があります。 ここでは、住宅型有料老人ホームのメリット・デメリットを記載します。
メリットとは?
・自分に必要な介護サービスを選択することができます
・自立から介護度の高い方まで幅広い層に対する受け入れ体制が整っています
・レクリエーションの種類が多く、娯楽施設も充実しています
・24時間介護サービスを受けられる施設の多いです
・自由度が高いです。入居一時金や月額利用料などの額によって、設備やさまざまな条件、リハビリテーションの回数、居室の広さなど、ある程度自由に選ぶことができます
デメリットとは?
・入居一時金が必要な施設も多く、月額利用料も比較的高額の施設が多いです
・施設によっては、訪問診療や介護サービスは契約している医療法人や自社の事業所に決まっている場合があります
・必要な介護の内容により、利用料金が変わります
・重度の介護状態では、基本的に住み続けることが難しくなる場合が多いです
他のサービスとの違いは何?
介護施設の種類は多様化していますが、住宅型有料老人ホームとどのような違いがあるのでしょうか? ここでは、同じ有料老人ホームである「介護付有料老人ホーム」と住宅という点で違いが分かりにくい「サービス付き高齢者向け住宅」と住宅型有料老人ホームの違いについて見てみましょう。
サービス付き高齢者向け住宅との違い
サ高住と略して呼ばれることが多いサービス付き高齢者向け住宅。 簡単に説明すると、一般にある賃貸住宅扱いで、安否確認と生活相談サービスを提供する高齢者向け住宅です。夜間の人員配置や見守り体制は施設によってまちまちです。 管轄は国土交通省となります。 一方、住宅型有料老人ホームの管轄は厚生労働省です。 介護サービスの提供という点では、住宅型有料老人ホームもサービス付き高齢者向け住宅も併設もしくは外部の事業所を利用しますので、同じとなります。 契約形態では、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は高齢者向け住宅ですので、住宅部分について「建物賃貸借契約」を結び、介護や生活支援サービスは別途契約を結びます。 住宅型有料老人ホームでは、利用権方式という契約を締結するのが一般的で、入居時に一時金を支払うことで、終身にわたって居室と共用施設を利用する権利と、介護や生活支援サービスを受ける権利が保障される契約になります。
サービス付き高齢者向け住宅の入居条件・費用・サービス
入居条件 |
原則として60歳以上の方。自立~軽度の要介護まで。 |
---|---|
費用 |
施設にもよりますが、敷金が家賃の2~5ヶ月分、月額費用が10~30万円。 |
サービス |
安否確認 生活相談 掃除、買物代行などの生活支援。 |
介護付有料老人ホームとの違い
同じ有料老人ホームである「介護付有料老人ホーム」と「住宅型有料老人ホーム」。 大きな違いとしては、介護付有料老人ホームは一定の基準を満たし都道府県により特定施設入居者生活介護の指定を受けた有料老人ホームのことを言います。 介護度の状況に合わせて家事や日常生活を送るための支援、機能訓練、療養上の世話などの介護サービスが提供されます。 一方、住宅型有料老人ホームは介護サービスを利用したい場合、外部の訪問介護事業所や併設の介護事業所と契約をして介護サービスやデイサービスを受けます。 介護サービスの内容を選択することができるので、特に介護サービスが必要のない自立の方は介護サービス費用がかかりません。 住宅型では、基本的に自立の方や介護度が軽い方が対象となり、重度の要介護状態になると退去しなければいけない場合があります。 しかし今では、サービス内容が施設によってさまざまなため、住宅型でも介護付のように介護度の高い方を受け入れたり、重度の要介護状態になって住み続けることができる施設もあります。 ただし、介護付の場合は毎月かかる介護サービスの費用は要介護認定の段階ごとにあらかじめ定められているので、サービスの回数によって費用が上がることはありません。 住宅型では、回数によって変動しますので、費用面で考えると、自立の方は住宅型の方が介護サービスの費用がかからず、生活にも自由度があるのでおすすめと言えます。 介護度の高い方は、介護付の方が安心して介護サービスを受けられ生活を送れると言えます。
介護付有料老人ホームの入居条件・費用・サービス
入居条件 |
施設にもよりますが、原則として65歳以上の方。介護状態は、自立・要支援1~要介護5。 |
---|---|
費用 |
施設にもよりますが、入居一時金が0~数千万円、月額費用が15~40万円。 |
サービス |
食事、入浴、排せつなどの介護サービス、健康管理、食事の提供、リハビリ、レクリエーションなど。 |
住宅型有料老人ホームの選び方のポイントとは?
先にも述べたように、基本的に「自立の方や介護度の低い方」に向いている施設と言えます。 ただ、施設によって対応やサービス内容が多岐にわたります。 住宅型有料老人ホームでも充実した医療・看護体制を整えている施設が多くあります。 費用面でも差があり、入居一時金がかからない施設や毎月かかる費用も10万円程度とリーズナブルな施設もあります。 その一方で高級志向の施設では高額な費用がかかる場合もあります。 施設によって違いがありますので、施設見学や体験入居などを行い入居後に後悔しないように十分な情報収集と比較検討をおすすめします。
住宅型有料老人ホームに入居するまでの流れとは?
まずは、比較・検討が重要です。事前に資料を取り寄せ、しっかり情報収集をしましょう。 気になる施設があれば、必ず施設見学をすることをおすすめします。また状況に応じて体験入居をしましょう。 管理者の方となるべく話をし、スタッフの働く様子や入居されているご利用者の方の様子も観察しましょう。 日々の食事はとても大切ですので、可能であれば、食事を試食させてもらったり、月の献立表をもらいましょう。 希望する施設が見つかったら、以下の流れで進めていきます。
①申し込み |
---|
申し込みをします。 |
②入居申込書類の準備と提出 |
・利用申込書 |
③事前面談 |
入居する本人の身体の状態や、どのような暮らしを希望しているかについて、施設の担当者や管理者が確認するために事前面談が行われます。 病状のことや日ごろのケアのこと、身元保証人のことなどを施設から尋ねられたら、率直に相談しましょう。 要介護者の場合は担当ケアマネージャーが同席する場合もあります。 |
④審査 |
提出された書類や事前面談を受けて、施設内で審査が行われます。 書類や面談で特に問題がなければスムーズに通ります。 審査の内容は、入居後にトラブルにならないように、急変時すぐに来てもらえる家族がいるか、病状や日常のケアで問題となることはないか、費用の支払い、身元保証人のことなどを施設側が確認します。 |
⑤最終確認 |
契約をする前に契約書や重要事項説明書などの内容をよく確認します。 重要事項説明書の内容を理解するのは、後々トラブルにならないためにもとても重要です。 書いてある言葉の意味が分からない場合は、遠慮をしないで質問してください。 開設日や職員体制、設備など細かい部分までしっかりと確認をしておくことが大切です。 特に、費用のことなどは重要です。 入居一時金の償却期間や返還金についても、施設によって違います。 また、管理費、光熱費、家賃など毎月の費用、おむつ代、消耗品や日用品のこと、レクリエーションの負担金など、細かいところまで確認して、理解できるまで質問しましょう。 あいまいなまま契約してしまうと入居後のトラブルの元になります。対応のよい施設は、分かるまで丁寧にきちんと何回でも説明してくれます。 |
⑥契約・入居 |
契約をして入居が決まったら、入居する日までに準備するものや、当日のスケジュールなどを確認します。 |
まとめ
介護施設と言っても日々の生活を送る大切な「家」です。 後悔をしないように早めに行動をし、じっくり調べ考える時間をとることが重要と言えます。 住宅型有料老人ホームは、以前に比べ幅広い対応をする施設が多くなっています。 ご自身が何を一番重要に考えるか、そして費用やサービス内容、食事、施設の設備や緊急時の対応などさまざまなことを踏まえて選択することが重要です。
※参考サイト:有料老人ホームの概要 - 厚生労働省
介護を受けながら暮らす高齢者向け住まいについて - 厚生労働省
有料老人ホームの類型

フロンティアの介護に在籍する経験豊富な介護職員、施設管理者、ケアマネージャー、看護師、理学療法士、管理栄養士などさまざまなその道のスペシャリストから情報を収集し、介護に関する内容をコラムにして書いています。 今後さらに需要が高まる介護施設。介護を必要としている方のお手伝いができるよう、問題が解決できるよう、さまざまな角度から情報をお届けしたいと思います。私たち記事編集者が書くコラムがお悩み解決のヒントになれば幸いです。